■ 工房紹介2 ■ ここでは、工房で使う道具や材料を紹介します。
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普段使用している道具達です。
左が「しっぴき」。 これはろくろ上で挽き終わった作品を盤面から切り離す時に使うんです。 最初は市販のものを使っていましたが、よく切れてしまうので、替わりのものを探したところ「水糸」にたどり着きました。お勧めです。 真中が「木べら」。 高台を削りだす時に使います。 木べらもいろいろな材質がありますが、これは竹製です。比較的、長持ちする材質なので重宝してます。 右が「弓」。 これは、型物やろくろ挽きした作品の口縁部の切り出しに使うんです。 鉄製と竹製がありますが、私は両方使っています。 弓という名前ですが、決して矢は撃てません。(笑) |
手回しろくろです。 ろくろをまわす自作の棒も写しました。 昔は盤面が木製でしたが、今は鋳物製で回転部にはベアリングも入っているので、回転が持続しやすいです。 湯呑みを1個ひくのに、約7回から8回位回します。 野球でいうところの、緩急とでも言いましょうか。止まっている時の時間が、なんとも良いのです。 下の写真は盤面に作品を乗せる板です。 |
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数ある釉薬の一部です。 釉薬ごとに分けて保管しますので、置き場所を取ります。 長石が固まっていると、施釉の際にかき混ぜる作業が大変で、混ぜるだけで小1時間くらいかかってしまう事もあるんです。 ちなみに、釉薬は陶器の衣装といったところでしょうか。 作家はその衣装をいかにきれいに着せてやれるかを常に考えています。 |
灰です。 釉薬の基本原料となります。 これらの灰を突いて、水簸して、ふるいに掛けた後、長石と混ぜて釉薬にします。 単味で使う事もありますが、通常の天然木灰に加えて釉薬を作る事が多いです。 ちなみに灰釉を酸化で焼くとやや黄色を帯び、還元で焼くと緑系の色になります。(鉄分の量によって変わりますが。) |
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薪です。 炭化焼成の際に使用します。 「炭化焼成」とは高温で作品を焼いた後、窯を冷ます際に窯内に薪を投入して、作品に景色を付ける技法です。 薪の量や投入温度によって、いろいろな変化があるんです。 薪も夏場は手に入りにくいので、冬場にまとめてストックしておきます。 |
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釉薬の原料となる灰と長石です。 灰色の部分が天然灰で、下の白い部分が長石です。 これらを水と一緒に混ぜて、ふるいに掛けてから、しばらく寝かせておきます。 すると、アクが浮いてきますので、アク取りをして、再度水を入れてを繰り返していくんです。 市販の完成済み釉薬を使えば、簡単ですが、味のある釉薬を作るには、この作業はかかせません。 |
ワラです。 「緋だすき」を作る際に使用します。 「緋だすき」とは作品を本焼する前に、ワラを作品に巻いて、ワラの燃えた跡を景色にする焼成法なんです。 有名なところでは備前焼の緋だすきがありますよね。 巻き方によって、いろいろな景色が付くので、好きな焼成法の一つです。 |
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ケヤキの木の実のへたの部分です。 これを水に浸しておくと「トチ渋」と呼ばれる茶色の液体ができます。 器全体に古ぼけた古陶の感じが出るので、味わい深い作品に仕上がるんです。 |
もみがらです。 サヤ炭化をかける時に、サヤの中に作品と一緒に入れます。 酸化か還元によって、緋色になったり黒くなったりするんです。 また、作品と棚板のくっつき防止にも活躍します。 |
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サヤです。 上は市販品、下のサヤは道具土で作りました。 少量の作品に、サヤ炭化や「緋だすき」をかける時、この中に作品を入れて、ワラの燃えカスがまわりに飛ぶのを防ぎます。 大量に「緋だすき」をかける時は、サヤを使わず、直接棚板に置いて焼いてしまいます。 写真のサヤの中にも、うっすらと緋色が出ています。 |
「焼台」です。 道具土で、ぺたぺたと作りました。 窯に作品を詰める際に、作品の下に敷いて、棚板とのくっつきを防止します。 長石を主体とした釉薬は、まず流れる事は少ないのですが、天然灰釉や織部釉を使った場合はかなり流れます。窯道具の必需品です。 |
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炭です。 サヤ炭化をかける時に作品の周囲に置いて景色を付けます。炭の大きさや量によって、景色の付け方が変わるんです。 炭もあまり作品に近づけるとブクを吹いてしまったり、良い事が無いので、適度な距離と量が必要なんです。ただ、思いもかけない炭窯変がでるので、おもしろい素材です。 また、炭を燃料にして七輪やレンガで作った特製の窯で焼くこともできます。
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