2022/11/27 18:52

ここでは、陶器と磁器の違いについて記します。

  

陶器とは、簡単にいうと土でできている器のことです。

一方、磁器とは土ではなく、主に石の粉末を練ったものでできています。

(厳密に言うとそんなに簡単な組成物ではありませんが、
ここではわかりやすく主原料で分けています。)

 

 

ご家庭にある食器のほとんどが、磁器製品です。

 それはなぜか・・・。

磁器は通常陶器より高い温度で焼かれる事が多いです。

 

そのため、陶器より硬く焼き締まります。

その結果、破損しにくい品ができるわけです。

 

また、白い石粉を練ってあるので、出来た製品も白く清潔感があります。

そのため、企業などの大量生産品として、磁器はうってつけの素材なのです。

  

 

陶器か磁器かを知る方法としては、指先ではじくと、

陶器は「ボコッ」、磁器は「キンッ」といった感覚が得られると思います。

 

また、透光性も磁器の方が高く、日光に照らすと

光が通過したように見えるのが磁器の特長でもあります。

 

 

それぞれの素材が違うので、触った時の感覚も違ってきます。

 磁器は石ですから、冷たい、硬い、軽そうといった感覚です。

 一方陶器は土でできていますから、温かみがある、やわらかそうと言った感覚があります。

 

この陶器のもつ「温かみ」は人を癒してくれる何かがあると思います。

 ご飯茶碗や湯のみなどを、陶器の器で食べたり飲んだりすると。

なぜか「ほっと」するのです。

 人間が土や植物と共に生きてきた証が、感じられる瞬間だと思います。

 

 

作り手の立場から言えば、成型に関しては、

陶器の方が作りやすいです。

土は粘土ですから、比較的自由な形を成型できます。

 

磁土は粘性があまりないので、形を成型するのにかなりの技術を要します。

 

企業などで、型ものを大量生産するのには、磁器は簡単に成型できますが、

職人の手作業となりますと、かなりの熟練技が必要なのです。

 

 

陶器も磁器もそれぞれ一長一短があり、

どちらが良いかは人それぞれです。

 

食卓にも陶器あり、磁器ありといった方が

にぎやかでよろしいのではないでしょうか。