2022/11/28 18:31
■ 2007年 前略 行雲より ■
2007年12月24日 (月)
おやつは柿の実。
写真は庭の柿の実をおいしそうに食べる雀たちの様子です。
ほとんどの実は私たち人間が食べるように収穫済みなのですが、
さすがに木の先端にある実は高枝切りバサミでも届きません。
結果として残った柿の実は、鳥たちの大事な栄養源へとなっております。
やきものでも雀と柿の実を絵付けしたものがよくありますね。
初冬のほのぼのとした季節感をよく表した描写だと思います。
この柿の実を食べにいろいろな鳥たちがやってくるんです。
写真は雀ですが、実にさまざま。
鳥の名前はよくわかりませんが、数種類の鳥たちがおやつを食べに飛来します。
なんでおやつって言えるのかって?
鳥にとっては食事なんじゃないのって声も聞こえてきそうですが、
よく観察していると、必死には食べてないんですね。
まわりと眺めながら、毛づくろいをして、数分に1回柿をつばむ。
そんな事の繰り返しなんです。
食事なら、外敵がいないのを確認しながらもっと必死に食べると思うのですが、
勝手な思い込みでしょうか・・・。
そんなこんなで、我が窯場の庭先は、
ちょっとしたバードウオッチング会場と化している今日この頃です。
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2007年12月4日 (火)
紅葉の美しさ。
写真は庭に生えているモミジの木です。
何とも紅葉が美しかったので思わずパチリです。
隣の柿の木も一緒に写しました。
ビタミン豊富な柿と美しい紅葉に囲まれて、自然の美しさに感謝です。
紅葉の色合いをやきもので表現すると、釉裏紅という色合いがまさにぴったりですね。
釉裏紅とは銅を使った色で、
還元で焼くことによって現れるきれいな薄赤の色合いです。
白地のやきものに、鉄絵で木々の枝を描き、
釉裏紅で果物の実や紅葉などを表現していくと、
普通のお皿が芸術品に生まれ変わります。
釉裏紅の色を上手く出すには、塗った時の厚みや還元の度合いなど、
何度もテストを重ねないといけません。
難しいけど、やりがいがある。
そんな色合いなんです。
モミジの葉っぱ自体も非常に絵になりますよね。
風が吹くたびにヒラヒラと葉が落ちてきますが、
その落ち方にも不思議な魅力があります。
落ち葉のたまった地面でゴロンと横になる。
空を見上げてフーッと深呼吸。
仕上げには落ち葉を集めて、たき火でしょう。
んでもって、イモを入れて焼きイモの完成です。
芸術より食い気優先かよ・・・。
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2007年11月26日 (月)
写真は食べ終わった貝殻の数々です。
なんだ、ただのゴミじゃんと思わないで下さい。
この貝殻を焼成時に高台部や器の側面に置いて焼き上げるんです。
すると高台部の釉薬の掛かっていない所は緋色に、
側面の釉薬の掛かっている所は貝跡が付いて景色になるんです。
写真の中にハマグリの貝殻がありますよね。
今度はこいつの上に作品を置いて焼いてみようと思ってます。
でかい貝殻ですから、どの位の大きさの緋色が出るのか、
今から楽しみなんです。
貝の主成分は炭酸カルシウムとかなんとかいうらしいんですが、
いろいろ実験した事があるんです。
カルシウムの錠剤、卵の殻、ワラを煮詰めた液体などなど。
緋色を狙って出そうなモノを思いつくままに試したのですが、
全て失敗しました。
やはり、貝殻が一番でしたね。
昔ながらの技法に勝るものなしといったところなんでしょう。
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2007年11月17日 (土)
愛しのトライアングル。
写真は我が愛しの焼酎トライアングルです。
別に銘柄にこだわっている訳ではないのですが、
なんとなくビンがカッコいいので、気にいってます。
樹氷とか純もいいですよね。
あちらのビンは透明でそれもまたカッコいい。
大五郎って名前の特大4リットルペットボトルのやつもありますよね。
酒好きなのですが、量はあまり飲まないので、
大五郎だと多すぎるかなと。
小さめのビン入り焼酎を買ってきて、
陶器の大徳利に移し変えてしばらく寝かすんです。
ほどよく寝かした後に、これまた陶製のカップにそそいで、
ちびちびと飲むのが好きなんです。
あと、吉四六っていう焼酎もおすすめです。
甘みのある焼酎でこれがまたうまい。
ビン入りと徳利入りが売っているので、徳利ものをよく買います。
コルク栓をシュポッと開けて、トクトクっと器にそそぐ。
今なら寒いですから、お湯なんぞで割って、
グビグビっと喉に流し込む。
1日の疲れもどこへやらって感じです。
酔いながら、ロクロをまわしてみるってのもありかなと。
酔拳って拳法がありますよね。
普段はめっちゃ弱いのに、酔うと強くなるっていう。
あれと同じように、酔ロクロってのはどうでしょ。
普段はまじめな品ばかり挽いてるのに、
酔うと名作が作れちゃったりして。
案外いいかも。
今日あたりちょっとやってみますか・・・。
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2007年11月2日 (金)
陶芸と言えば・・・。
写真は陶芸に必需品の手まわしロクロです。
必需品と書きましたが、ロクロを意地でも使わないという人もいます。
粘土を捏ねて、作陶する際にあれば便利な道具ですが、
無ければ無いで何とかなる道具とも言えます。
ウチでも大物を作る際にはよく利用しますね。
この上に板を乗せて盤面を大きくしてから、ヒモ作りで大物を作っていくといった感じです。
電動ロクロと違って、小さく軽いので、持ち運びにも便利だし、
これが無いと自分が粘土の周りをまわって作るしかありません。
運動不足解消にはロクロが無い方がいいのですが・・・。
このロクロの大きいのを以前通販で買った事があるのですが、ナイスな梱包方法でした。
盤面を上にして梱包すると、箱の中で盤が回って塗装面を傷つけてしまいます。
そこで、人間の知恵ですね。
盤面を下側に固定して送られてきたのです。
なるほど、確かに盤が下だと足側が回るだけなので、盤面は傷つかずに済む。
箱を開けた時はいきなり足側が見えるので、オッてな感じですが、
納得のいく梱包方法でした。
発送をちょいと変えると、いい結果に結びつくんですね。
ウチも見習って、何かにチャレンジしてみますか。
逆立ちして、足でロクロを挽くとか・・・。
んな事、できるわけないよな~。
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2007年10月25日 (木)
成型の小道具。
写真は大物の成型に必需品のしゃもじです。
大物を製作するにはヒモ作りという技法を使います。
粘土をヒモ状にして1本づつくっつけていき、つなぎ目をならして作っていきます。
唐津などではたたきの技法と言って、ヒモ作りで作った作品を
板状のもので叩いて土を締めていく製作法があります。
板に紋様を入れておけば、叩いた跡が装飾になるという一石二鳥の技なんです。
つなぎ目をならす際にこのじゃもじを使って、ヘラ代わりに使うんです。
小さめのヘラも売っていますが、せっかく使っていないしゃもじがあるのなら、
こいつを使ってやった方が作り手も喜ぶだろうと勝手に解釈して使ってます。
以外と重宝するんです。
もの自体が大きいですから、持ちやすいし、土にあたる面積も大きいので、
作業もはかどります。
使わない時はご飯もよそれるし・・・。
ん~ん。その使い方は、ちょっとお勧めできませんな~。
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2007年10月17日 (水)
釉掛けの秘密兵器。
写真は釉掛けの際に使うある道具です。
やきものは成型して、素焼き後に釉薬を掛けるんですが、
実は釉薬を掛けてから乾くまで多少の時間がかかるんです。
時間が掛かるって言ってもほんの数秒から数十秒なんですが、
大量に作品を仕上げる際は、この数秒の待ち時間がじれったく感じる時があります。
そんな時に、この手作り置き台の上に作品を乗せておき、
次の作品に釉薬を掛けてしまいます。
次の品を掛けている間に、置き台に乗せている作品は乾いてしまうという寸法です。
作り方は簡単。粘土に釘かネジのような物を3ヶ所取り付けるだけです。
釘の先端はとがっているので、釉薬を掛けた所を乗せてもOK。
見た目は今ひとつですが、
急ぎの作業になくてはならない超アナログ秘密兵器でした。
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2007年10月9日 (火)
どら焼もやきもの?
写真は地元熊谷市の梅林堂のどら焼です。
なんでどら焼なの?って話ですが、特別な意味はないんです。
目の前にどら焼がある。
食べようかな。でもお腹すいてないな~。
ん~ん、どうしようかな。
あっ、そうだ。ブログに載せよう。
そんなところです。勘弁して下さい。(笑)
いつも窯焚きをしている時に思うんです。
うちの窯は煙道の所にフタが付いていて、薪を投入できる設計なのですが、
この穴に焼イモを入れたら、うんまい焼きイモができるんじゃないかって。
あるいは、ここにピザとかパンとか入れたら上手に焼けそうな気がするんですよね。
どら焼も小麦粉と卵をマゼマセして、
砂糖少々、あと、ベーキングパウダーとか入れるのかな?
そんな感じで作ったものを、鉄板の上に乗せて煙道に入れたら、
うまくできるんじゃないかって。
そう思うんです。
やきもの作りでできた、どら焼。
どうでしょう。
誰も買わないだろうな~。
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2007年9月29日 (土)
徳利の底切れ。
写真は成型した後の徳利の底切れの様子です。
高台の真中部にヒビが入っているのがおわかりかと思います。
原因は土の底締めが足りなかったり、乾燥が早すぎたりと、いろいろ考えられます。
こういった大物の底切れを防ぐのに最適なのは、作品を1個づつ挽くこと。
備前焼などの産地の成型では、玉状に土を丸めて一つづつ挽いていきます。
成型時にヒビの入りやすい備前の土を挽くには、最適な方法なんですね。
玉状に土を丸める事で、土の粒子がしっかりと密着する訳です。
昔の人はよく考えますね。
失敗から学び、次のステップへ結び付ける。
我々も参考にしたい、人生の教訓です。
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2007年9月11日 (火)
こんなに収縮!?。
これは先日掲載した備前緋だすきの焼成後の写真です。
いかに収縮度が大きいかわかりますよね。
全部で8つのぐい呑みを焼いたのですが、内4つが失敗しました。
難しいですね。成功率5割です。
備前焼が比較的高価なのも、土の値段が高い上に、
こういった成功率の問題もあります。
焼き締めですから、釉薬の力を使えない。
土を成型したままの状態が残ってしまうので、
ごまかしが聞かないやきものと言えるんです。
焼き締めは釉薬を掛けない分、楽なのではと思う方も多いと思いますが、
焼成にかかる手間や成型の正確さなどを考えると、
釉薬ものの方がはるかに楽なんです。
備前焼が好きな方は、ここの所を理解した上で作品を鑑賞してみて下さい。
また、違った見方ができると思います。
くそー。次は絶対成功するぞ~。
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2007年9月1日 (土)
ワラに巻かれたやきもの達。
写真はワラに巻かれた備前の緋だすきのぐいのみ達です。
作品を囲っているのが、サヤと呼ばれる耐火度の高い土で作られた入れ物です。
サヤに入れずにそのまま焼いても構わないのですが、
ワラと作品の密着度を高めるために、今回はサヤに入れて焼成します。
写真を見ると、作品がサヤに目一杯詰まっていますが、
焼成後はすき間だらけになるんです。
備前の土の収縮度が、いかに大きいのかわかります。
(焼成後の写真も後でアップしときますので、
比較してみて下さい。)
ところで、サヤの中の緋色が見えるでしょうか?
ワラと土から出る緋色が、サヤの内側にもくっきりと写っています。
きれいですね~。
さあ、今回もどう焼けるかお楽しみです。
きっちりと焼き上げますよ~。
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2007年8月25日 (土)
ただ今、素焼き中。
今現在素焼き中ってとこです。
写真は窯のバーナー近辺をアップに撮ってみました。
このバーナーが左右にそれぞれ3本づつの合計6本付いています。
素焼き時はこのバーナーを対角線上に1本、2本、4本、6本と
少しづつ点火していき、ゆっくりと温度を上昇させるんです。
さて、今回は酒器を中心に焼き上げる予定で、
なかでも備前の緋だすきのぐい呑みをメインに素焼きしてます。
この備前の土が曲者なんですよね。
普通の土と同じように焼くとすぐにヒビ割れができるので、
温度の上昇に気をつけながら、
ゆっくり、ゆっくりと焼いていかないとダメなんです。
その分、焼き上がった品には愛情がたっぷりと注がれるので、
十分に満足のいく作品にはなるのですが。
備前以外には灰釉と瀬戸黒、長石釉なんぞも焼いていきます。
さて、さて、どんな作品ができますことやら・・・。
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2007年8月18日 (金)
お~い お茶。
何となく目の前にあったペットボトルのお茶を撮ってみました。
誰もが知っている伊藤園の「お~い お茶」です。
このお茶戦争もすごいですね。
コンビニに行っても、お茶の種類のすごいこと。
各社シノギを削って、売り場の場所取り合戦です。
何でも某社のペットボトル入りのお茶は広告費に年間50億とかの
予算を掛けているそうです。
売上高と広告費は何がしかの相関関係があるらしく、
誰が聞いてもわかる品名のお茶でさえ、
広告費を削ると売上も下がっていくそうなんです。
ゴールデンタイムのテレビCMを見てると
必ずお茶の宣伝が入ってきますよね。
とにかく、商品名を訴えて、コンビニやスーパーで手に取ってもらう。
これが、お茶戦争で勝ち抜く秘訣だそうです。
言われてみれば、ペットボトルのお茶の「味」こだわる人って、
あまりいないですよね。
弁当の買出しで「お~い お茶」を買ってきたら、
「俺は、サントリーの伊右衛門しか飲まねぇんだ。
今すぐ交換して来い!! 」って人は見た事がありません。
コンビニで弁当を買って、ふらっと飲料コーナーに行く。
目の前に4社から5社くらいのお茶があったら、
やはり、CMで見ている商品を適当に買いますものね。
商品へのこだわりよりも、
広告宣伝費をいかに効率よくかけるって時代なんでしょうか。
我々、手作り職人からすると複雑な心境です・・・。
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2007年8月9日 (木)
私はコレで点けます。
写真は窯に火を点ける際に使うバーナーのような道具です。
先端にライターをかざしてから、手元のガスコックをひねると炎が出る仕組みになっています。
窯を購入して最初の頃、この着火棒に火を点けると先端から燃え出して、
空気調節用のガムテープまで燃えてしまうという事態が頻繁におきました。
不良品なのかなとメーカーに問い合わせた所、
「着火棒の中にクモの巣がはっていませんか。」との事。
早速先端からのぞいてみると、なんとなく膜がはってるように見えますが、
クモの巣には見えないんです。
「クモの巣じゃないよな~。」と思いつつ、
針金を突っ込んでみるとその膜がきれいに取れるではありませんか。
小さなクモが直径1センチほどの穴の中に巣を作っていたのです。
こんな事があるんですね~。
その後は着火前に必ず先端を点検してから、点けるようにしています。
窯をお持ちの方で、着火棒の火の具合が今ひとつの方。
そんな人はそうは居ないと思いますが、もし居たらクモの巣チェックを忘れずに。
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2007年7月31日 (火)
旅立ちの瞬間。
昨日、窯詰め中に窯小屋の作品棚で、
なんとセミの成虫への脱皮シーンを目撃しました。
こんな機会は多分一生に一回しかないだろうと思い、シーン事にデジカメで撮影です。
ここで不思議な事がおこったんです。
写真のセミの脱皮中に、窯小屋の外で1匹のセミが「ジッ。」と
15分に1回位のペースで鳴いているんです。
最初は偶然に鳴いているだけかと思ったのですが、定期的に鳴く様子を聞いていると、
この脱皮しているセミに何かを呼びかけているのではと思い始めました。
シーンとした窯小屋で脱皮しているセミ。
外で「ジッ、ジッ」と呼びかけているセミ。
その後、2枚目の写真を撮った頃でしょうか、外のセミが窯小屋に突入してきたんです。
「ジジジジッ。」と鳴きながら、狭い窯小屋の中を飛び回っています。
多分、窯小屋にいた私を敵かも知れないと思ったのでしょうか。
助けに来たのでしょう。
あわてて私が窯小屋から飛び出すと、そのセミは小屋から出ていきました。
すごいですね・・・。
兄弟ゼミか親ゼミなのかわかりませんが、
自然の偉大さ、生命の神秘さをヒシヒシと感じた1シーンでした。
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2007年7月24日 (火)
熊谷うちわ祭りの開催。
地元の熊谷市で毎年夏に盛大に行われる「うちわ祭り」の様子です。
写真は叩合いと呼ばれるもので、
各地区の山車が最終日の午後9時頃になると一斉に集まり、
鐘や太鼓を叩き合っている様です。
近くに行くと熱気がすごいので、遠くからパチリとしてみました。
「うちわ祭り」というのも、なかなかシャレたネーミングですよね。
なんでも最初は祭りの最中に赤飯をふるまっていたらしいのですが、
手間のかかる赤飯のかわりにうちわを配ったところこれが評判になり、今に至るらしいです。
実際に祭りに行ってみると、確かにうちわがあった方が快適に過ごせます。
梅雨時期の夜でも、数万人の人がいるわけですから、人ごみの中ではうちわを使い、
ちょっと涼しくなってきたら、うちわを腰にはさんで歩くっていうのが、
お祭りの「粋」なのでしょう。
お近くの方はぜひ来年、足を運んでみてください。
うちわ祭り公式サイトはこちら。
http://utiwamaturi.com/
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2007年7月14日 (土)
デカ湯のみ誕生。
でかい湯のみを作ってみました。
普通サイズの湯のみを飲んでいて、ふっと思ったんです。
「これ、もっとでかくならないかな。」って。
大きければ、焼酎も入るしビールだって飲めます。
お茶を注ぐ手間も省けるし、一石二鳥なんではないかと。
特に男性の場合、手のひらも大きいので、
これくらいの大きさがあった方が使いやすいだろうと、勝手に解釈して作りました。
これから乾燥させて、高台削り、素焼き、施釉、本焼きとなります。
完成するのはまだ先ですが、出来次第サイトにアップします。
誕生 「親父の湯のみ」!!