2022/11/29 15:56

■ 2008年 「前略 行雲より」 ■

 

2008年12月26日(金)

たかが高台、されど高台。

 

前略 行雲より。

クリスマスが終って、いよいよ年末年始へ突入である。

もうじき長期休暇に入る方も多いだろう。

休みの日はつい食べ過ぎて太ってしまうので、

暴飲暴食を避け適度に身体を動かすようにしたいものだ。

でも、この時期は何を食べても満腹感になりづらい。

身体が脂肪を蓄える時期なのだろうか。気をつけねば。

 

 

 

さて、本題である。

今回は高台について学んでみよう。

まずは高台削りに使う道具達である。

上から木べラ、かきべら、カンナと呼んでいる。

 

私自身はほとんど木べらで削っているので、

最後のカンナなどは首のあたりに錆びが浮いている始末である。

 

 

さて、読者の方で趣味の陶芸をやられている方もいるだろうから、

ここで高台削りのアドバイスを二言三言。

 

まず高台削りに慣れること。

決して恐れてはいけない。

 

ロクロ挽きと違って、

削り作業は失敗したら終わりのイメージがあるがそんなことは無い。

 

削り過ぎて穴が空いてしまったらドベでも塗って土で埋めればいいのである。

高台そのものを削ってしまっても心配無用。

いっそのこと全部削って付け高台にすればいい。

 

粘土をヒモ状にしてぐるりと1周付けるだけである。

味のあるひょうげた高台のできあがりだ。

下に写真を用意したので、後ほど見てもらいたい。

 

 

よく高台は1削りで終えた方が良いですかと聞かれるが、土によると思う。

唐津のような荒目土を削って

高台周辺に皺を出す雰囲気に仕上げたければ1回で決めた方が良いし、

趣味の陶芸などで使う量産用の土であれば、

何度削っても仕上がりにはまったく影響ない。

 

いろいろな土を削って、この土にはこのパターン、

こっちの土ならこう削ろうと経験を蓄積していくのが良いと思う。

 

 

次に大事なのは高台の形だが、これも勉強と経験が必要だ。

以下に各高台の種類と画像を用意したので見て欲しい。

 

まず切高台。

高台の一部にヘラで切れ目が入れてあるもの。

萩焼などに良く見られる高台である。

1箇所のみならず、3方に入っているものも良くある。

 

 

次は三日月高台。

高台の外径に対して、内径が若干ずれているものだ。

これは意識しないでも普通に削っているとたまたまこうなる。

この高台を見つけたら「当たり」と思って手に入れておくと良いだろう(笑)。

 

 

竹の節高台。

高台の側面に竹の節のような段差のあるもの。

井戸茶碗などに多く見られる。

作り手からすると釉掛けなどの作業がしやすい高台周りである。

木ベラで普通に削るとこのようにはなりにくい。

かきべらかカンナで削った方が出やすいだろう。

 

 

「の」の字型。

ひらがなの「の」の字に似ている高台。

正式名称は不明だがこのサイトでは便宜上こう呼ばせてもらう。

 

 

下の画像は「の」の字型をわかりやすくするため大胆に削ったもの。

この写真はちょっと大げさ過ぎるが、もう少し品良くまとめると使える削り方である。

 

 

次は上で申し上げた 付け高台。

高台を削りで作らず、粘土をヒモ状にしてドべで接着したもの。

ひょうげた味のある形に作れる。

 

 

お次は一彫り高台

これも正式名称は不明だが、ヘラ一彫りで仕上げたもの。

高台もシンプルなものほど技術がいる。

ちなみにこの写真の一彫りは1回目で失敗し、

粘土を付け直して再度削ったものである。

久々にやったので予想以上に深くへらが入り込んでしまった。

簡単なようで奥の深い高台である。

 

 

 続いて 兜巾(ときん)

高台内部が若干盛り上がっているように削られたもの。

木ベラを使って小さめの高台を削るとこの形になりやすい。

使う道具によって自然になったり、ならなかったりする。

 

 

最後はおまけの写真だ。

器の中心をわざとはずして付け高台にしたもので、

高台の下の土片もわざと取らずに残してある。

こういった土片や削り跡などは、

美しいと感じたら直さずに残して仕上げるのもいいものである。

この辺のところは他人にどう言われようとも、

自分の感性にマッチするかしないかで判断すれば良いと思う。

 

 

上記の高台を立たせるとこうなる。

上物が素直な形なので今ひとつだが、

ひょうげた雰囲気で仕上げれば面白い造形になるだろう。

 

 

さて、こんなところが高台の各種類である。

もっと他にもいろいろあるが、こういった高台の呼び名と形状を良く学び、

実際に削ってみて自分の好みのパターンを見つけていくのが上達の近道だ。

 

カンナでカッチリ削りも悪くはないが、それだけではいわゆる味が出ない。

 

器本体もそうだが、手作りの陶器はいかに個性を出すかが勝負である。

高台にも自分独自の味わいを出そうではないか。

 

特に趣味でやられる方は商品を作るのではなく

「作品」を作っているのだからなおさらである。

大胆にどんな形に削っても誰も文句を言わない。

 

形を覚えて真似してみて簡単に削れるようになったら、

自分流のアレンジを加えてオリジナリティを出す。

 

それからは数多く削ることに集中する。

削って削って削りまくれば、自然と味が出てくるものである。

 

 

話はそれるが、

我々プロは、例えば「の」の字型に木べらで一削りなんかしようものなら、

お客さんに「すいません。手を抜かないで、普通の高台にしてもらえませんか。」

などど言われてしまう。

 

やきもの初心者の方にとっては、スーパー等で売っているきっちりとした品の高台が

本当の高台なのである。

 

「いえいえ、これは陶工のこういう想いがこもって・・・。」

などど言いたいところだが、ぐっと我慢して

「わかりました。」

と職人作業に徹するのである。

 

作家として削るか、職人として削るか、状況によって分けなければいけない。

職業陶工のつらいところだ。

  

 

最後に陶芸初心者の方は「削り時」に注意すること。

始めの頃は削り時がわからず、まだ土が固すぎたり、

やわらか過ぎたりしてうまく削れないことが多い。

 

固すぎる土を木べらで削るなど、プロでも至難の技である。

 

こういった固い土を削る時はいきなり電動ロクロなどを回転させず、

手回しでゆっくりと荒く削ってから

最後に電動ロクロで仕上げるようにすると良い。

 

あまりに固い場合は刷毛で水を塗ったり、

土を全部水に付けてしばらく置くなりしてやわらかくなるまで待とう。

 

ころよい削り時というのは各人によって、

また使う道具によっても違うので、

これも経験を積んで判断して欲しい。

 

大事なのは失敗を恐れずとにかく「削りまくる」ことだ。

それでは、各人の検討を祈る!

 

ぽろろん。

 

 

***********************************

 

 

2008年12月14日(日)

道具も作っちゃえ。

 

 

前略 行雲より。

窯場周辺のもみじもすっかり落葉し、

いよいよ冬本番を迎えようとしている。

熊谷のからっ風は強いが、

何とか風邪などをひかぬように年を越したいものである。

 

 

さて、今回はやきもの成型に使う「道具を手作りしてみよう」がテーマだ。

まずやきものと言えばいろいろな小道具があるが、

木ベラ製作をしてみようと思う。

 

材料と道具はこれだ。

まず上から、手廻しノコギリと呼ばれるもので普通のノコギリより、

刃の部分が細長くできている。

これは木を円状に切りやすくするためだが、この小ささが意外に使いやすいのである。

 

小道具を作るのにわざわざ大工さんが使うような

大ノコを使うのも今ひとつだが、

これなら気がついた時にすぐに使用できる。

おまけに値段も安価なのでお勧めである。

 

次は小刀。

これは材料を削っていく時に使用する。

これも安いものをホームセンターとかで購入すると良い。

 

次は材料となる木片だ。

この木片は庭の片隅に落ちていたもので、ほとんど真っ黒である。

ところが木というのは不思議なもので、真っ黒に見えるのは表面だけで、

ちょいとカンナとかサンドペーパーをかけると、あら不思議とばかりに

きれいな地肌を表すのである。

 

なので、一見使えないような木片でも強度さえあれば充分である。

ただ、注意点がある。

あまり硬い木片は使わないこと。

いい道具を作ろうとすると硬い材料で一生ものをと思ってしまうが、

硬いとおもわぬケガをする事があるので、比較的やわらかい木片を使おう。

松や杉、ホームセンターなどで売っているSPF材なんかだと

比較的作業しやすい。

 

さて、写真の最後のものは、上の木片をある程度切り取ったやつだ。

鉛筆でおおまかな形を下書きして、

ノコで荒挽きすればOKである。

 

この荒挽きしたものをえっちらほっちらと小刀で削っていくのである。

静かな空間の中で、木をひたすら削る。

至福のひと時である。

 

ロクロを手で廻してゆっくりと作陶しているような、そんな気分だ。

 

ものの30分も削ればこのように完成である。

これであなただけの専用の木ベラができた。

高台を削るも良し、茶碗の厚みを削るも良し。

何に使うかは、あなた次第である。

 

ちなみに当窯では道具類はほとんど手作りである。

何点かを紹介してみよう。

 

まず窯場に置いてある手廻しロクロ。

ケヤキ製で厚み10センチ、径40センチのビッグサイズである。

これを写真の棒で廻すことによって、水挽きもする事ができる。

 

裏側はこうだ。

市販の中古の手ロクロを電動ドリルで穴開けし、ネジ止めしただけである。

材木さえ手に入れば可能な製作法である。

 

ちなにみこの盤面はケヤキでなくても構わない。

栗でもヒノキでもなんでもいいのである。

ただ、ケヤキは重量が重いので廻した時の遠心力がよく働き、

回転が持続しやすい特長がある。

但し値段が高い。銘木なので、非常に高価である。

写真のように厚みのあるケヤキはなおさらで、

このサイズで売ってくれるところはあまりないであろう。

 

薄手の安い杉材などを何枚も重ねるとか、

下にダンベルなどの重量物を付けるとか、

いろいろ工夫すれば重いロクロは作れるので、要はアイデア次第である。

 

おまけの写真も見て頂こう。

これは手作りの牛ベラである。

上の角材を削って、ヤスリ掛けしたものだ。

市販の牛ベラは買うと結構高いので、自分で作れば材料費だけで済む。

形は市販のものとは違うが、私にとって機能的に全く問題ないのである。

 

最後はロクロ成型で土を切る時に使うしっぴきだ。

梅の小枝に水糸を縛っただけである。

これがまた実に使い心地がいい。

ドロが付いた時の掃除も楽である。

しっぴきは消耗品なので、身近にあるものをどんどん利用しよう。

 

 

さて、いろいろ見て頂いたが、

こうやって道具を作る作業もやきものの一工程である。

自分好みの1本を作って、作陶ライフに役立ててもらいたい。

 

かの剣豪 宮元武蔵も晩年は木を削って暮らしたという。

木と戯れることは土と戯れるのと同じように、

人間にとって何かの癒しがあるのかも知れない。

 

 

ぽろろん。

 

 

***********************************

 

 

2008年12月7日(日)

「生きがい」探し。

 

 

前略 行雲より。

 

本日の熊谷は快晴日和。

洗濯やふとん干しに最高の一日になりそうだ。

 

 

さて、今回の写真はこれ。

「安原製作所回顧録」という文庫本である。

 

たった一人でカメラメーカーを作った安原氏が、

事業の立ち上げから廃業に至るまでを綴った回顧録である。

ものつくりを生業とする以上、読んでおかねばと思い手に入れてみたが、

なかなか面白い内容で一気に読破してしまった。

 

興味のある人はご一読をおすすめしたい。

 

さて、この本の内容とは全く関係ないのだが、

本の末尾に「サイドリバー」という言葉が載っていた。

 

イギリスの言葉らしく、人生には仕事という1本の川が流れているが、

その横に「趣味」というもう1本の川が流れているという意味らしい。

 

なるほどいい事を言う。

 

確かに仕事だけでは人生は味気ないし、人間である以上、

本流からはずれ横道にそれたくなる時もある。

 

そこにサイドリバーが流れていれば、ちょっと河原に立ち寄って寄り道し、

また本流に戻ることができる。

 

「趣味」というと遊んでいるような言葉にとられるが、

「趣味」=「生きがい」なのである。

 

この「生きがい」は決して人から奪ってはいけない。

楽しみがあるからこそ、険しい本流に耐えられるのである。

 

 

さて、充実した人生を送るために、

身近な趣味を何でもいいから始めてみようではないか。

 

とはいっても外に出るのも億劫で、趣味も要らないという人もいよう。

そんな時はこうしてみたらどうだろう。

 

先日、テレビで放送していたのだが、

やる気のスイッチというのは環境で変わるらしい。

 

例えば、今テレビを見ているとする。

その人に勉強をしろとか、庭の木を切れと言ってもやる気はおきないであろう。

 

ところが、全員が勉強をしている場所に移動させる。

あるいは、周りの全員が木を切る仕度をして、実際に切っている場所に身を置く。

こういった環境を与えると、放っといてもスイッチが入るらしい。

 

なるほどそんなものかと。

 

趣味もそうであろう。

何となく、教室や同好の志が集まる場所に行けば、

何となく、やり始めるものなのだ。

 

じゃあ、どういった趣味がいいのだろう。

芸術系、スポーツ系、旅行や演劇鑑賞などいろいろあるだろうが、

私は芸術系をお勧めする。

 

絵画でも陶芸でも写真、音楽でも何でもいい。

スポーツ系ほど天候の影響も受けずに体力も使わず、

旅行ほど資金もかからず、室内でコツコツと気楽にできるからである。

 

私自身がやきもの屋だから言うわけではないが、

陶芸なんぞは最高の趣味にできる。

 

陶芸の面白さは何と言っても、

最後まで人力が及ばないところだろう。

 

絵や写真は自分の力でなんとでもできる。

ところが、陶芸はそうはいかない。

最終的には窯に、火にゆだねなければいけない。

そこがいいのである。

 

窯詰めや窯焚きを除けば、人間ができるのは成型から釉掛けまで。

あとは火まかせである。

 

釉掛けが終ってから、作品に会うまでのワクワク感、期待感。

 

まあ、ほとんどガックリすることが多いのだが、

10回に1回位は大ヒットが出るので、やめられない。

こんな面白いことを知らずして人生が終えられるかと、

そこまで言ってしまうのである。

 

 

「サイドリバー。環境を変えることから全てが始まる。」

 

 

ぽろろん。

 

 

 

*************************************

 

 

2008年11月29日(土)

表現するということ。

 

 

 前略 行雲より。

本日の熊谷は絶好の洗濯日和。

暖かくて最高の一日になりそうだ。

 

 それでは、今回の写真はこれ。

このブログ風サイトの写真である。

今回は「表現」をテーマに考えてみよう。

 

表現するというのはいろいろなジャンルがある。

小説家の文章であったり、絵描きの絵、陶芸家の作品、

ミュージシャンの曲だったりと多種多様である。

 

我々やきもの屋は作品を使って表現しているのであるが、

こういったブログ風の文章も自己表現のひとつであると言って差し支えあるまい。

 

今ブログというのはあちこちで見かける。

面白いものもあれば、有意義な情報もあるし、なかには首をひねりたくなるものもある。

 

しかし共通していえる事は、それら全てのものは作者の自己表現なのである。

心の中で欲した表現したい内容を文章で書き綴る。

簡単なようでなかなか難しいことだ。

 

さて、こういった文章であるが、

文体で作者の印象を決めるのはやめた方がいいであろう。

雑誌などでもそうであるが、

面白い文を書く作者だから実際に会うとさも面白そうな事を言ってくれるのかと思ったら、

得てして非常にまじめな方であるというのは、よくある話である。

 

逆にお堅い文章を書く作者が、非常にあけっぴろげで過激な事を言ったりする。

 

文章は対象とする読者を飽きさせないために、

作者の創造力を駆使して、いろいろな工夫がされているのである。

 

文章に限らず、テレビに出ている男性タレント達も然りである。

いわゆるジャ○ーズ系と呼ばれるタレントの人たちは、

一見チャラチャラしている印象を受けるが、

彼らの芸事に対する姿勢は非常に高いと聞く。

 

売れないで去っていった人達を何人も見ているので、

必死になって歌や踊り、芝居に全力を傾けているのだ。

 

着ている服装や髪型で判断してはいけない。

彼らのファッションは事務所やスポンサーの意向に沿って

スタイリストが決めたもので、

ファン層の人達にいかに受け入れられるかを計算された結果なのである。

意外と素顔の本人達はジャージで1日を過ごしたりするのも平気であろう。

 

彼らにとって歌や芝居は「表現」の大きなテーマであるし、

結果を出さないと来年は無いという非常にシビアな世界で生きているのだ。

外見だけで中身を判断するのは注意しなければならない。

 

さて、今回は表現をテーマにいろいろと書き綴ってみたが、

読者の皆さんもぜひブログなどの身近なもので自己表現してみたらいかがだろう。

 

いきなり絵を描いたり、陶芸作品を作ったりというのは時間がかかるが、

ブログなら今見ているパソコンでOKである。

 

文章を書けなくてもいいのだ。

好きな風景をデジカメで撮り、一言入れるだけでいい。

それだけでも世界中の誰かが見てくれるかも知れない。

 

ここでのポイントは一言でも文を入れるという事。

写真だけでは作者の意図は伝えづらい。

たった一言、その写真を見て感じた事、思った事を素直に書いてみる。

それだけで今日からあなたも「表現」するという大きなものを手に入れたのだ。

 

さて、今回のブログ(メルマガ)は、いつになく評論風に書き上げてみた。

これをどう評価するのかは読み手の方たちに委ねよう。

 

ぽろろん。

 

 

 

************************************

 

 

2008年11月23日(日)

どっちが勝ち?

 

前略 行雲です。

朝晩は冷え込む毎日ですが、晴れた日中は暖かいですね。

窯場周辺のモミジもやっと紅葉が色付いてきました。

 

さて、今回の写真はこれ。

左がフライトジャケット CWUー45Pと呼ばれるもので、

右が量産型の作業服です。

 

 

今回は、この比較的優れた素材のフライトジャケットと

通常の作業服ではどっちが作業しやすいかという、

非常にどうでもいい内容について検討してみましょう。

 

まずフライトジャケットというのは空軍で採用されているジャケットですから、

素材や保温性などが非常に優れています。

また当然このジャケットを着て、

コクピットの中やら整備室で作業をするわけですから、

動きやすさも兼ね備えていなければいけません。

 

一方、量産型の作業着も外での現場作業に耐えうる保温性と、

力仕事も楽にできる動きやすさが最重視されます。

 

ではこの2つの服でやきもの作りに適しているのはどっちか?

 

 

実験してみた結果、安価な量産型の作業着に軍配が上がりました。

大ざっぱに検証してみましょう。

 

まず、保温性。

間違いなく、フライトジャケットの方が上です。

腕の中にまで中綿が入っていますから、抜群の暖かさなんですが、

これが逆にロクロや土練りなどの作業には不向きなんです。

ゴルフのスイングも全く無理(当たり前か!!)。

 

着たまましばらく腕を使っていると疲労がたまってくるというか、

腕を上げている仕草がつらくなってくるんですね。

 

また、フライトジャケットは丈も短めにできているので、

ロクロを廻している時にどうしても背中が出てしまうという欠点もあります。

 

 

素材はフライトジャケットの勝ち。

同じようなナイロン系の素材ですが、しっかりとした厚みがあるので高級感もあり、

丈夫に作られています。

(注:ちなみに本物の空軍規格では、素材は不燃材料の

ノーメックスとか言うものを使ってるそうです。ハイ。)

 

反面、その厚み故に長時間着ていると肩がコリやすくもなります。

特にジャケットを着たまま椅子の背もたれに寄りかかると、

肩周辺の厚みが非常にうっとうしくなってくるんですね。

 

空軍兵士の写真を見ると、大抵はこのジャケットの上に

ベストやら酸素ボンベやらをたくさん着込んでいるので、

肩周辺はあまり気にならないんじゃないかと推測しております。

 

やはり、フライトジャケットは着込んだままバイクに乗ったり、

街中を歩いたりするのに最適ってことがわかりました。

 

一方、量産型の作業着はロクロ廻したり、

土を掘ったりの肉体労働系に向いていると。

 

そんなこんなが今回の結論です。

 

 

今回は知りたい人には重宝な、

知りたく無い人には全く無用な情報をお届けしました!