2022/11/29 17:44

2013年3月4日(月)

「また読みますか。」

 

前略 行雲より。

いよいよ日本列島に春一番が吹き始めた。

この時期、春の訪れとともに吹き荒れるもの。

そう、花粉の季節もやってきたのだ。

昨日あたりから目と鼻がしばしばしている。

身体を動かしていると気にならないのだが、

テレビを見たり、本を読んだりのジッとしてる時間になると、とたんに症状が出始める。

鼻はテッシュを突っ込んでしまえば何とかなるが、目がショボショボするのはいただけない。

情報の80パーセントは目から入るようなので、目が快調でないと何もする気にならない。

早速、目薬と鼻炎薬を手に入れ試してみる。

なんとか症状が落ち着いてきた。これでしばらく乗り越えるしかないだろう。

 

今年の花粉は去年の数倍らしい。

気温によるとはいえ、植物が環境を汚している人間に警告を与えているとしか思えない。

産業の隆盛と環境保護の両立は難しいんでしょう。

 

 

さて、今回の写真はこれだ。

単行本「なぎさホテル」である。

 

作家の伊集院静氏の作品で、彼が若い頃の7年間余り、

逗子の「なぎさホテル」という場所で暮らしていた時の随想である。

2、30代の若さでのホテル暮らしである。当然宿代にも苦労していただろう。

しかし、そこで出逢った様々な人たちとの出逢いが、彼の作家としての土台を築いていく。

 

この本を読み終わって、もう数ヶ月たつ。

内容を思い返してみたのだが、これといって印象に残る事柄が思い浮かばない。

たまたま通った街の映画館で、昔の古い映画を見たような、そんな印象だ。

 

しかし、この本の中の、何てことのない日常の中に、

若い頃にはわからなかった大切な何かがあるのかも知れない。

 

 

さて、この手の随想、随筆系の本。

いろんな作家が書いているが、実は寝る前の読書には最適であることを知っているだろうか。

 

寝る前本は面白過ぎてはいけない。

面白過ぎると寝る時間を削るはめになる。

かといって逆に単調過ぎると、さて読もうかという気にならない。

 

この微妙な感覚をうめてくれるのが、こういった類の随想、随筆系本なのだ。

ほどよい読み疲れと、翌朝には読んだことすら忘れてしまうささやかな存在感が、

また床につく頃になると、つい手にとってしまうのである。

 

小説は年に数冊しか読まないが、この手の随想、随筆系は週に1~2冊は読んでしまう。

適度な興味と、これといった特長のない単調さが、絶妙な味わいを醸し出す。

例えて言うなら、

ドーナッツとポテトチップスを交互に食べているような感じ。

甘いの食べて、しょっぱいのいっての繰り返しがやめられない心境。(ちょっと違うか。)

 

今回これを書くにあたって、

先の「なぎさホテル」の冒頭を読み返してみたのだが、やっぱりいい。

今夜あたりから、もう一度読み返したくなった。

 

我が書棚にまた一冊の盟友が増えていく。

 

 

 

 

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2013年1月19日(土)

 

「エスケープの謎…。」

 

前略 行雲より。

2013年の初エッセイ。いってみよう。

 

一昨日の大雪とはうって変わって、本日の熊谷は天気良し。

正月明けのなまった体に喝を入れるため、自転車トレに出かけてみた。

 

雪の影響からか、風はやや冷たいが耐えられないほどではない。

田んぼの中をしばらく軽快に漕いだ後、喉の渇きを覚え、

バッグからペットボトルを取り出してグビグビ。

周りを見ると遥か遠くに農夫が一人いるだけ。静かな空間だ。

 

風の流れる音に混じって、上空からカラスの鳴き声が聞こえる。

「おまえ、こんなとこで何してやがんだ。

こっちは気持ちよく空飛んでるんだよ。アホー、アホー。」

などと言っているのだろうか。

 

そんなカラスの真上に広がった大きな飛行機雲。

太陽の光を浴びてキラキラと輝いている。

「カラス君。君のはるか上空を我が人類は飛んでいるんだよ。」と、

教えてあげようと思ったら、

「アホー、アホー」と、はるか遠くに飛び去った後だった。

 

 

さて、今回の写真はこれだ。

キーボードのエスケープボタンをひっくり返したものである。

 

皆さんがよく使っているパソコンのキーボード。

その左上に「ESC」と書かれたボタンがある。

こいつは「エスケープ」と呼ばれるもので、

現在のパソコン作業を一旦中止させる機能がある。

 

長いことパソコンをいじっているが、

このエスケープをWindows上で使ったことは数える位しかない。

Windowsが起動しない時に、真っ黒いBIOS画面で操作する際にはよく使う。

ただ、BIOSを使うこと自体あまりないので、実質上ほとんど使用しないボタンだ。

 

ところがこいつがクセモノで、

皆さんがよく使うブラウザのインターネットエクスプローラー(以下、IE)で

入力中に間違って押してしまうと、とんでもないことになる。

入力した文字が一瞬で全部消えてしまうのだ。

 

 IEで入力っていうと、検索ワードとかの単語が多いだろうが、

YahooMailなんかで長文を書いているときに押すとこりゃ大変。

エッという驚きとともに、思わず身体の動きが止まり、目が点になる。

苦労して書いた文字が無くなり、真っ白な画面がむなしく光っている。

 

「ctrl+z」キーで回復できるが、

エスケープを2度押しすると、この機能も使えない。

 

特にこのキーは「半角/全角」キーのすぐ上にあるので、

日本語と英字を切り替えるときに、つい間違えて押してしまう。

はっきり言って、なんで全文消去機能が、

こんな頻繁に使うキーの真上に設定されているのかがわからない。

 

こりゃどけんとせんといかん。

 

思わず前某知事の口グセを真似ながら、

このエスケープをなんとかしようと、いろいろ調べてみた。

 

まず、WindowsのMSーIMEという文字入力を使っているのなら、

設定をいじることでエスケープを無効にできるとのこと。

 

あっ、こりゃいいやと、マニュアル通りに設定したが効果なし。

何度やってもボタンを押すと全文が消去されてしまう。

 

もちろんIEを使わないで別のブラウザを使えば問題ないのだが、

意外とIEってのは愛着があるもので、

OPERAやらネットスケープやらを使う気にはならない。

 

じゃ、どうしましょうかってことになる。

 

苦肉の策として考え出されたのが、今回の写真。

物理的にキーボードのボタンを押せなくすればいいのではないかと。

まるっきり押せなくするには、ボタンを外してしまえばいいのだが、

いつか使う時もくるでしょう。

ならボタンをひっくり返せばいいってことになった。

 

キーボードのボタン自体は結構簡単に外せる。

すき間にマイナスドライバーを差し込んで、ひょいと引っ掛けると、ポロッと取れる。

で、その取れたボタンをひっくり返してビニールテープで止めたものが上記の写真。

 

この方法ならエスケープを使う時がきても、テープをはがして元に戻すだけでいい。

多少見た目はわるいけど、良く言えば「キーボード職人っぽく」見えないこともない。

我ながらグッドアイデアだと自負している。

 

これで入力も快調快調。

半角キーも思いっきり押せるし、タイピングに集中できる。

エスケープをなんとかしたい方。お勧めですぞ。